絆づくり通信 花結び
column
2022年11・12月号
かごしま探訪
私たちアロエ本舗は、県内6ヶ所にある自社農園でキダチアロエを栽培しています。農園毎に土壌や気候などが異なるため、各農園に適した栽培方法は何か試行錯誤しながらキダチアロエを育てています。今回は、この自社農園がある地域についてご紹介いたします。
鹿児島市は薩摩半島の北東部に位置し、年間平均気温は19.2℃と比較的温暖な気候の街です。大陸や南洋諸島に近いという立地条件から、かつては琉球を中継地とした貿易が活発に行われ、大陸文化やヨーロッパ文化の門戸ともなりました。市の約54%が森林で、雄大な桜島や波静かな錦江湾など豊かな自然に囲まれています。中心部にある城山展望台は、桜島と市街地を一望できる絶景スポットとして人気です。
アロエ畑は、鹿児島市街地から南西の山間にあります。他のアロエ畑と比べて比較的涼しく真冬には霜が下りるため、ビニールハウスの中で栽培しています。
指宿市は薩摩半島の最南端にあり、錦江湾口に位置しています。面積は148.84㎢あり、中央部には九州一の大きさを誇る「池田湖」、南西部には標高924mの開聞岳(別名:薩摩富士)、南部には南国ムードが漂う「長崎鼻」、東部には潮の干満で陸続きになる「知林ヶ島」があります。また、市内全域を霧島火山脈が縦断し温泉が豊富に湧出しているため、「天然砂むし温泉」をはじめとする温泉を楽しむことができます。
アロエ畑は、開聞岳の麓に広がっています。アロエ本舗の最初の自社農園であり、創業当時から60年以上に渡り手作業でのアロエ栽培を続けています。
屋久島町は、鹿児島県本土から南に約60㎞の海上にあり、屋久島と口永良部島の2島で構成されています。屋久島は周囲132㎞の円形の島で、島内には九州最高峰の宮之浦岳をはじめ標高1,000m以上の山が45以上あり島の多くを山岳部分が占めています。屋久島は、樹齢数千年の屋久杉などの特殊な森林植生や亜熱帯から冷温帯に及ぶ植生の分布などの自然環境が評価され、1993年に日本で初めての世界自然遺産に登録されました。
アロエ畑のある尾之間地区は、屋久島の南に位置し、屋久島の中でもより温暖な地域です。「月に35日雨が降る」と言われるほど雨が多い環境の中でも、水はけを良くしたり、水が溜まりにくく(雨が流れやすく)したりするなど、試行錯誤をしながら栽培しています。
鹿児島県の最北端に位置する長島町は、長島本島、伊唐島、諸浦島、獅子島など大小27の島々で構成されています。日本三大急流の1つである黒之瀬戸を見ることができ、島の西には東シナ海、北西には長島海峡と周囲を海に囲まれています。温暖な気候や恵まれた自然条件により漁業や農業が盛んで、町内に広がる段々畑では「赤土ばれいしょ」をはじめ様々な農作物が栽培されています。
アロエ畑も眼前に東シナ海が広がる段々畑の中にあります。長島の赤土の土壌で栄養が詰まったキダチアロエが育ちます。
いちき串木野市は薩摩半島の南西部に位置し、海・山・温泉などの自然があふれ、金鉱業と遠洋まぐろ漁業の街としても知られています。市内には、縄文後期の人々の生活の様子を残した「市来貝塚」や日本の近代化のために英国へ留学した薩摩藩士の功績を展示している「薩摩藩英国留学生記念館」など歴史を知る場所があります。
アロエ畑は、市の北西に位置する羽島地区にあります。畑の目の前には東シナ海が広がり、後ろには山々がそびえています。西向きの段々畑なので昼前から海に太陽が沈むまで日が当たる環境の中、山と海のミネラルを豊富に含んだ土壌で栄養たっぷりのアロエが育ちます。
南さつま市は、薩摩半島の西南端に位置しており、年間の平均気温が約20℃と1年を通して温暖な街です。市の約60%を森林が占めており、九州百名山に選ばれた「金峰山」や日本三大砂丘の1つ「吹上浜」など豊かな自然が広がっています。また吹上浜の近くに架かる歩行者・自転車専用の橋「サンセットブリッジ」は、夕陽に映える姿が美しい人気のスポットです。
アロエ畑は、市の南西部の坊津地区にあります。東シナ海に面しており、潮風に乗って運ばれてきた海のミネラルを豊富に含んだ土壌で栄養が詰まったアロエが育ちます。冬でも霜が降りることがほとんどなく、12~1月頃には真っ赤なアロエの花が咲き誇ります。
各農園の様子は公式SNSでも
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今号のイラスト
『桜島とキダチアロエ』
桜島は、錦江湾(鹿児島湾)に浮かぶ、高さ1,117m、面積約80㎢、周囲約52㎞の活火山です。約26,000年前に誕生した桜島は、これまで17回の大噴火を繰り返しており、中でも1914年の大正大噴火では、流れた溶岩によって海峡が埋め立てられたことによりそれまではその名の通り「島」だった桜島が、大隅半島の一部とつながりました。現在も毎日のように小規模の噴火を繰り返しており、桜島上空で東寄りの風が吹く日には、鹿児島市街地方面に火山灰が降ることもあります。桜島の麓には、数千人の住民が暮らしており、「桜島大根」や「桜島小みかん」、全国第3位の生産量を誇る「椿油」などが造られています。
イラスト:花結びスタッフ